2013年8月23日金曜日

やっとRage新作、もといLingua Mortis Orchestra購入。数回ローテーションしてみた感想。

最初のインパクトという点ではイマイチ。Suite Lingua Mortisほどの衝撃は感じられなかった。
ただしそれは楽曲クオリティの問題ではなく、ヘヴィメタル部分のサウンドが割と押さえ気味だったのが理由の1つだと思う。

Suite Lingua Mortis、というかSOTDはかなり尖った音作りがされていたので、オーケストラメインでありながらもメタル然としていた。
しかし今回はXIII、もしくはGhostの様な作風、 そしてバンドサウンドは最も聴きやすいであろうStrings to a Webの様な、マイルドかつ輪郭のしっかりしたミックスになっている。
そのせいで迫力やパンチは感じられないが、決してオーケストラやVoの邪魔をせずにスッと耳に入ってくる。逆に音の分離が良すぎる感もしないではないが。
楽曲自体も「これぞメタル」という様な曲は少なく、先に述べたXIIIやGhostの、クオリティを昇華させたような内容。どちらかというとGhostに近い気がするが、 今回の方が圧倒的にまとまりが良い。

過去、XIIIやGhostが問題作となってしまった原因としては、あまりにメタルな部分を排除してしまった事が主たる理由だと思うけれども、そもそもそれはヘヴィメタルという音楽性に起因する問題であり、Peavyはメタルバンドの為にオーケストラを導入したわけではなく、あくまでオーケストラとメタルバンドの競演であり、むしろオーケストラメインまである。
(始まりはバンドの為にオケ導入だったわけだが、当初から既にバンドサウンドは引き気味ではあったわけで。)

今回もソレは例外ではなく、あくまで競演という事は非常に重要な点だと思う。
壮大で、ハイ・ファンタジーを彷彿とさせる様なシンフォニックメタルを期待すれば100%肩透かしを食らう事になるだろうし、某貴族の様にオケをバックに大暴れなんてのは一切無い。
クラシック畑出身者のVictorや素養のあるPeavy、彼等だからこそできるバランスのとれた作品であると思う。

曲数が少なく若干物足りない気もするが、ボーナストラックを除いても普通に1時間近く。
やはりVictorの手腕によるところが大きいかもしれない、本当にまとまりが良い。
まぁ傑作とまではいかなかったけど、良作である事は間違いない。


ついでにRevocationの新作も購入したが、やはりカオティックな要素が戻ってきた。
というか今作が最も難解なんじゃないだろうか。耳に馴染んでからが本番の様。
要所でジャジーなメロディを絡めてきたり、らしさはかわらず。